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てしの機材レポート

レンタル館の機材マスター「てし」が監修する、カメラやレンズ、そのた映像機材のレビューや使い方紹介を行っているブログです。作例や使用感なども豊富に掲載しています。

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2018.03.31 |

デジタル一眼レフカメラ

センサーシフトでハイレベルな写真を撮ろう!

title-sensor-shift

みなさんこんにちは!
今回はデジタル一眼カメラのセンサーシフト技術を活かした様々な撮影機能ついて踏み込んだご紹介をしたいと思います!

センサーシフト技術とは??

その名の通り、センサーを動かす技術です。
代表的な技術として挙げられるのはずばり手振れ補正技術でしょう!
望遠レンズなどで遠くのものを撮る時には抜群の存在感を放ちますよね。
ではまず、センサーシフト式の手振れ補正とレンズシフト式の手振れ補正の違いについて簡単にご紹介したいと思います!センサーシフト式こちらは、手振れに対してセンサー自体が動いて補正する技術です。
センサー自体で補正をかけているので、センサーに光が当たるまで補正がかかりません。
その為、撮影時にセンサーが常に受光状態のミラーレス一眼や一眼レフのライブビューモードでは補正効果を確認しながら撮影ができますが、一眼レフでファインダー撮影をする時には補正効果の確認ができません。

センサーシフト(修正2)

◇メリット

  • ・古いレンズや純正・他社製問わず、ボディに最新の手振れ補正が搭載されていれば、
  •  最新の手振れ補正で撮影ができる。
  • ・レンズ側に手振れ補正機構を入れなくていいので、軽量で生産コストが安い。
  • ・レンズシフト式にはできない5軸方向の補正が可能。等々。

◆デメリット

  • ・一眼レフの場合、ファインダーを覗いても手振れ補正効果が目で見えない為不安定。
  • ・必ずしも使用するレンズに対して最適な手振れ補正がかかるとは限らない。
  • ・どんなにいいレンズでも、古いボディで使用する場合は手振れ補正機能が弱い可能性が
  •  ある。等々。

レンズシフト式こちらはレンズ側に手振れ補正機構を搭載したもので、光がセンサーに届く前にレンズの中で補正をかける技術となります。
センサーシフト式と違い、いずれの場合でも写真を撮る前に補正効果の確認ができます。

レンズ内(修正)

◇メリット

  • ・そのレンズごとに最適な手振れ補正機能が搭載されている。
  • ・ボディの新旧を問わず、レンズの補正機能の恩恵を受けられる。
  • ・一眼レフのファインダー撮影時でも補正された状態で見える為、
  •  安定して被写体を狙いやすい。等々。

◆デメリット

  • ・そのレンズごとに手振れ補正機能を調整・開発する為レンズが高価で、大きく重たい。
  • ・レンズ内補正を採用しているメーカーでも、全てのレンズに必ず補正機能をつけている
  •  わけではない。
  • ・補正レンズを組み込むことにより画質が少し低下する可能性がある。等々。

このように、センサーを動かす技術は手振れ補正技術の一つとして開発されてきました。
しかし、最近ではこのセンサーを動かす技術が他の機能開発に応用・転用されるようになってきたのです!
センサーシフト式手振れ補正を採用しているメーカーを中心に展開されていますが、一体どんな機能が生まれているのでしょうか??

今回はセンサーシフト式を採用しているメーカーのうち、OLYMPUS、SONY、PENTAXの3社を例に、注目の機能をご紹介したいと思います!

始めました!・解・像・!!!

SONYと PENTAXはセンサーを動かす事によって「解像感」の高い写真を撮る技術を開発しました。
SONYは「ピクセルシフトマルチ撮影」、PENTAXは「リアル・レゾリューション」という名称です。
機能の概要はどちらも同じのようで、1回シャッターを切ると4枚連続で写真が撮影され、合成する事によって解像感を上げる仕組みです。
今回はSONYの「ピクセルシフトマルチ撮影」を例にご紹介します。

解像感」の高い写真とはどのようなものかというと、写真を拡大してもぼやけにくく、シャープでハッキリクッキリ・・・ずばり細部まで美しい写真の事です。
作例を見て頂くのが分かりやすいかと思いますので、さっそく作例をご覧ください。
今回は弊社で絶賛レンタル中の α7R IIISEL2470GMレンズ を装着して、ピクセルシフトマルチ撮影をしてみました。

α7RIII(2)
【作例1:工場夜景】
ピクセルシフトDSC00072_PSMS_cc_Lサイズ
ピクセルシフトマルチ撮影で夜の工場を撮影してみました。
拡大してみると、通常撮影した写真との差がよく分かります。
工場比較2

いかがでしょう、通常の写真は拡大するとモヤっとする部分も、ピクセルシフトマルチ撮影では細かくはっきり写っているかと思います!これぞ解像感です!!

設定は簡単で、MENUボタンからメニューに入り、撮影モードの「ピクセルシフトマルチ撮影」を「入」にするだけです。
設定で4連写の撮影間隔を1秒~30秒まで設定できます。

ピクセルシフト設定2
撮影データはRAWで記録される為、撮影後にImaging Edge(Viewer)というソフトから4枚の写真を読み込み合成し、Imaging Edge(Edit)というソフトでRAW現像が可能です。
※Imaging Edgeは公式ページから無料でダウンロードできます。

では、この解像感とセンサーの動きがどう関係しているのでしょうか。
内容が少し難しいので解説図をご用意しました。
ピクセルシフト(修正3)

いかがでしょう?少し難しいですね。
4連続撮影した情報を合成するというのがピクセルシフト撮影の要なのですが、撮影時には注意点もあります。
まず、同じ画を連続撮影するのでカメラを三脚などで固定する必要があります。
また、カメラを固定しても被写体が動いているとうまく合成されません。
上の工場の写真でも、左上の煙のあたりなどは煙が動いている影響で綺麗に合成されていいないのが確認できます。
PENTAXのリアル・レゾリューションではこういった動体を自動認識して合成対象から外す事も可能で、最近では手持ち撮影にも対応し始めたようなので、技術が進歩すればもっと質は上がると思います!

始めました!・解・像・!!!

OLYMPUSもSONYやPENTAXと同様、1回のシャッターでセンサーを0.5ピクセルずつ動かして計8枚の写真を連続撮影・合成する「ハイレゾショット」という機能があります。
こちらも写真の解像感を向上させる効果がありますが、解像感だけではなく「解像度」も上げる事が可能です。
解像度」とは写真のサイズそのものの事です。
よくデジカメで表現される「〇万画素」の、〇の数値を上げる事ができるというと分かりやすいでしょうか?
解像度の高い写真程大きく引き伸ばす事が出来る為、大きなサイズの紙に印刷が出来たりトリミングもしやすいです。

OLYMPUSはマイクロ・フォーサーズという少し小さなセンサーを使用しています。
小さなセンサーで高画質を保つ為でしょうか、APS-Cやフルサイズ機よりも画素数が低い設計の機種が多いです。
※フルサイズ4000万画素前後、APS-C 2200万画素前後、マイクロ・フォーサーズ1600万画素前後の機種が多いです。

その為、高解像度の写真を撮るには少し不利でしたが、ハイレゾショットで撮影をすると本来1600万画素のカメラでなんと4000万画素相当の写真が撮れるというのです!
さっそく弊社で絶賛レンタル中の OM-D E-M5 Mark IIM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROレンズ を装着して撮影をしてみました。

OMD(2)
【作例2:スカイツリー】P2040174_Lサイズハイレゾショットでスカイツリーを撮影してみました。
これだけでは、どれくらい解像度が上がっているのか分かりづらいですね。
そこで通常撮影時の写真と並べてみました。

ハイレゾショット比較_OK3

いかがでしょう?
並べてみると一目瞭然ですね!明らかに通常撮影時より大きくなっています!
もちろん画素数が上がっている分、拡大した時の解像感も向上しています。

こちらも設定は簡単で、MENUボタンからメニューに入り、撮影メニュー2の「ハイレゾショット」をoffからonにするだけです。
シャッターボタンを全押ししてから露出開始までの時間を0秒~30秒の間で設定する事が可能です。
OMD設定

撮影データはカメラ内で合成処理まで行ってくれます。
ピクセルシフトマルチ撮影と同様、撮影時には三脚などでのカメラ固定が必要で、被写体が動いている時にはうまく合成されないこともありますが、OLYMPUSで高解像度の写真を撮りたい方はぜひ試す価値があるかと思います!!
※撮影時には、解像力の高いPROレンズの使用をお勧めします

まだまだ止まらない!!くよセンサー!!

さて、ここまでご紹介した機能はいずれも画質面を向上させるものでしたね。
しかし、早くからセンサーシフト技術に力を入れていたPENTAXは、他にもセンサーを動かす様々な機能が開発されています。
弊社ではPENTAXカメラの取り扱いはございませんが、センサーシフトの今後の可能性を感じさせるユニークな機能がたくさんあるので、気になった機能をご紹介をしたいと思います!

■自転に合わせてセンサーが移動!?【アストロレーサー】
【アストロレーサー】とは、地球の自転に合わせてセンサーが動く機能です。
主に天体撮影で使用します。※GPS機能が必要です。
星は光量が少ない為、短いシャッター時間だとたくさんの星を写す事ができません。
露光時間を長くすればたくさんの星を写せますが、地球の自転の影響で星がブレてしまいます。
長い露光時間で星を「」として写すには、赤道儀を使ってカメラ本体を地球の自転に合わせて動かす必要がありますが、この機能はカメラ本体を動かさなくてもセンサー自体を地球の自転に合わせて動かしてしまい、赤道儀無しで綺麗な「」の状態の星空撮影を可能にしました!

今回はスタッフ自前のPENTAX機に、レンタル商品の PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5ED[IF] を装着してサンプルを撮影してみました。

【作例3:星空夜景】
IMGP1061_リサイズ_Lサイズ

星比較(修正)

いかがでしょう?通常撮影と違い、アストロレーサーで撮影した写真は綺麗な星空を写す事が出来ていますね!

■他にもユニークな機能がてんこ盛り!
他にもセンサーを動かす事で下記のような機能があります。
【ローパスセレクター】
センサーを微振動する事により、ローパスフィルター効果を作り出す機能。
【自動水平補正】
撮影時にセンサーを回転させることによって、撮影の段階で水平補正ができるようになっています。
【構図微調整】
センサーの位置を上下左右に、そして回転させる事によって、カメラ本体の位置を変えなくても撮影構図を調整する事が可能。
【ダストリムーバブル】
手振れ補正機構を利用してセンサーを振動させ、付着したゴミを振り落とします。

まとめ

いかがでしたか?中々ユニークな機能が満載でしたね。
もちろん、本来の手振れ補正も強力です。
レンズ内補正では2軸方向しか補正ができないのに対して、最近のセンサーシフト式補正は5軸方向への補正が可能で、さらにはセンサーシフト式補正のカメラに手振れ補正付きレンズを装着する事によって、補正機能を増幅するという技術も開発されています。
その為か、今までレンズ内手振れ補正を採用していたメーカーも徐々にセンサーシフト式手振れ補正を採用し始めたように感じます。

また、センサーシフトで解像感を増す機能は、PanasonicのLUMIX DC-G9やハッセルブラッドが発売している中判デジタル一眼レフなど今回ご紹介した機材・メーカー以外にも採用されているようです。
※LUMIX DC-G9は通常撮影時約2000万画素を約8000万画素に、ハッセルブラッドは通常撮影時約1億画素を4億画素での記録が可能というのです!
センサーを動かして撮影・合成をすると、解像力が上がるだけではなくモアレやノイズの軽減効果もある為、今後どんどん注目されるのではないのでしょうか?

そして、センサーシフト技術には手振れ補正だけではなく他の機能への可能性がたくさん詰まっているので、色々なメーカーが今後センサーシフト技術を開発していけば、カメラの可能性はどんどん大きく広がりそうですね!
皆さん、カメラの新機能を存分に活用して、いい写真をたくさん撮りましょう!

【今回作例にて使用/ご紹介した機材】

SONY α7R III
SONY SEL2470GMレンズ
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROレンズ
PENTAX DA FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5ED[IF]
■G9も入荷しました! Panasonic LUMIX DC-G9