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てしの機材レポート

レンタル館の機材マスター「てし」が監修する、カメラやレンズ、そのた映像機材のレビューや使い方紹介を行っているブログです。作例や使用感なども豊富に掲載しています。

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2019.03.05 |

音響機材

レコードをハイレゾで録音する方法

最近、CDの売り上げ減少のニュースを目にしたかと思うと、レコードやカセットテープを楽しむ人が増えている、なんて話題があったりします。音楽はもっぱらYouTubeで楽しむという人も多いと思いますが、こだわって「ハイレゾ」やってるよ、という方もいるのではないでしょうか。今、音楽(音)は多種多様な規格で楽しむ時代となりましたね。

さて、弊社、音響機器のラインナップにございます

「リニアPCMレコーダー PCM-D100」
pcm-d100_01

こちらの商品は

「より原音に近い自然な音場感を再現するDSD録音に対応。臨場感や空気感までを忠実に記録するポータブル リニアPCMレコーダー」
※ソニー公式ページより引用※

というものです。

この機器はハイレゾ対応商品となっています。とにかくすごい臨場感で記録、再生することができるということなので、さっそくハイレゾ音源の作成をしてみたいと思います。

『ハイレゾ録音をしてみる』

今回はレコードをハイレゾ化して見たいと思います。

まずは必要機材の準備。

  • ・レコード
  • ・レコードプレーヤ
  • ・アンプ(もしくはフォノイコライザー)
  • ・レコーダー(PCM-D100)
  • ・ヘッドフォン(イヤホン)
  • ・各接続ケーブル

必要機材

次に結線。

レコードプレーヤの出力をアンプと接続(端子はフォノ入力を使用)。
アンプの代わりにフォノイコライザーへ接続する方法もあります。

レコード結線

写真はフォノイコライザーとの接続

アンプのTape out からレコーダへ接続。

(もしくはフォノイコライザー出力からレコーダーへ接続)
※音質のことを考えると、フォノイコライザーから直接レコーダーへ接続が望ましいです。

レコーダー接続
(左)フォノイコライザー出力  (右)アンプのTape outから出力

DSC_0275

最後に、レコーダーとヘッドフォンを接続して完了です。

続いて、レコーダーの設定。

手順は次の通り

録音モード設定(LPCM192kHz/24bit)

録音モード設定矢印

「各種設定」   →   「録音設定」  →  「録音モード」  →  「LPCM」 → 「192kHz/24bit」

INPUTスイッチを「LINE」へ切り替え

Line切り替え

ホームメニューから「録音」選択

録音ボタン

RECボタンを押す

RECボタン

レコードを再生する。→ 録音レベルの調整(REC LEVELダイヤルを回します)

録音レベル

ヘッドフォンでモニタリング

以上でレコーダの準備は完了です。
あとは、レコードの再生にあわせて、録音を開始、停止するだけです。
これで、レコードのハイレゾ化は完了です。

『ハイレゾって?』

ハイレゾについて調べると「CDとの差」「高解像度」「音の情報量」などのキーワードがすぐに出てきます。CDに比べて音の情報量が多いものがハイレゾということなのですが、どんな違いがあるのでしょう。

まずはCD。

CD リニアPCM 44.1kHz 16bit

いわゆる音楽CDはこの形式で記録されています。
「リニアPCM」というのはアナログ音声を一定のルールのもとに、「非圧縮のデジタルデータ化」する方式のことです。簡単に言うと、(圧縮されていないので)データ量は多いけど、元の音声をそのままデジタル化(記録)したよ、ということです。

「44.1kHz」というのはデジタル化する際のルールの一つ、サンプリングの間隔を表しています。その音を表現(再現)するために計測する間隔、この場合1秒間に44,100回計測していますよ、ということを表しています。これをサンプリング周波数と言います。

「16bit」こちらは馴染みのある方もいるのではないでしょうか。これは音の大きさや小ささと言った情報を、どのくらいの細かさで記録するかということを表しています。これを量子化ビット数と言います。
PCM音源においては、このサンプリング周波数と量子化ビット数にて音の質が決まります。
このことはハイレゾ音源と比べる時の指標となりますので、心に留めておいてください。

つづいてハイレゾ音源

音楽ダウンロード販売をしているサイトを見てみると、次のような規格で録音されていますよ、というような表記があるかと思います。

例えば次のようなもの。

「FLAC 96kHz 24bit」

「FLAC 48kHz 24bit」

これは、どちらもハイレゾ音源です。

まず「FLAC」とはなんでしょう。
こちらは先述しました「リニアPCM」などと同じ、音声ファイル方式の一つなんですが、リニアPCMと違ってこの「FLAC」は音声を圧縮しているんです。
あれ、圧縮してるの?と思いますよね。せっかくのハイレゾ音源、圧縮してもよいのか・・・となるのですが。
この「FLAC」というのは可逆圧縮方式をとっています。可逆圧縮方式は、読んで字のごとく、圧縮したものを逆に戻せるんです。ですから、圧縮しても音質をロスすることなく高音質を実現しています。
ただし、便利なだけのものはありません。可逆圧縮方式ですので、それほどの圧縮率は求められません。CDが700MB程度だとして、それらをせいぜい400から500MBにできる程度の圧縮となります。
また、このファイルを再生するには「FLAC」に対応しているプレーヤが必要となります。

次に「96kHz/48kHz」

この数字はCDの時にも見かけましたね。これはサンプリング周波数です。この数字がCDの時よりも随分増えました。

サンプリング周波数が増えるということは、計測回数が増えることになり、より正確に表現できるようになるわけですから、ハイレゾはCDよりも正確な音として記録されている、ということになります。
このあたりは感覚として分かってきましたね。
ただ、実はもう一つ利点があります。
サンプリング周波数が増えることで、表現できる音の高さ、が変わってくるのです。

周波数というのは1秒間に繰り返す波の数のことです。
音は空気が振動して伝わる波のことです。
この二つは同じ波を扱っています。

ここでギターの弦をイメージしてください。
ギターは弦の張る強さを変えることで音の調節をします。その弦の音を高くしたいときにはピンとなるようにきつく張ります。低くする時はその逆に弦を緩めます。
緩い弦を弾くと、ゆっくりと振動して低い音を出します。
逆にピンと張られた弦を弾くと、速い振動で高い音を出します。
ギターは1秒間に弦が何回振動するかで音の高さがかわります。
つまり高い音を表現する際には速く振動する必要があるということです。

通常CD で収録されている音の高さはおおよそ20kHz程度までです。
CDのサンプリング周波数は「44.1kHz」です。
そのおおよそ半分であることがわかりますね。

難しいお話は横へおくとして、実は表現できる音の高さは、サンプリング周波数の半分までとなります。
例えばハイレゾ音源の「96kHz」の場合、48kHz(の高音)まで表現できるということになります。
この高音域がハイレゾの魅力の一つです。

次に「24bit」
これは量子化ビット数でしたね。やはり、CDの時より増えています。
これは最近YouTubeなどで目にする4K映像とハイビジョン(2K)映像の比較をイメージすると分かりやすいと思います。
これら二つは映像の持っている解像度の違いから2K映像と4K映像と呼ばれ、見てすぐわかるくらい映像の情報量が違います。
この量子化ビット数というのも記録される音の情報量を表しているので、映像のときと同じような違いを生み出します。
CDの時は16bitでした。
これは2の16乗の情報量をもっていることを表しています。

一方ハイレゾでは24bitです。
これは2の24乗の情報量ということになります。
その差分だけハイレゾ音源の方が情報量が多いということになります。
音の情報量が増えることにより、より細かく表現できるようになりました。
また、量子化ビット数が増えることでより大きな(小さな)音を表現できるようになります。
実は、この音の大小(ダイナミックレンジといいます)の表現できる幅はCDでは96db(16bit×6db)です。ハイレゾでは144db(24bit×6db)まで広がります。
このダイナミックレンジの広さがハイレゾのもう一つの魅力です。

『じゃDSDってなに?』

このPCM-D100というレコーダは「DSD 2.8MHz」録音ができます。
LPCMのハイレゾ音源、DSD音源、どちらも高音質なことには違いありません。

また、再生にはそれぞれの音源に対応したプレーヤが必要となることも同じですが、音質は少し違うように感じます。

一般的にはLPCM音源の方が普及(先行)していますので、再生や編集といったソフトも多数あります。DSDに関しては、再生する際ネイティブに再生できるものと、LPCMに変換して再生するものもあったりして、今どんどんと対応が広がってきている所です。

このDSDのお話には、SACDという音楽メディアがかかせないのですが、知っていますか?

初代プレイステーション3がこのメディアに対応していて、ほんの少しだけ話題になった高音質CDのことなのですが、CDと互換性はなく、専用のプレーヤが必要でした(だからプレイステーション3が再生に対応した、ということで話題なりました)。

この高音質メディアに採用されたのがDSDでした。話題になっているのは最近ですが、この技術は古くからあったのです。

そして、このSACDで音楽を聴くのと、LPCMのいわゆるハイレゾ音源を聴くのでは少し印象に違いがあります。

個人的な印象としましては、LPCMのハイレゾ音源はくっきりとした高解像度の音という印象です。

CDとハイレゾで同じ曲を聴いたとき、一聴して音の数が増えたことが分かります。どちらかというと高音域が伸びたようには感じますが、音の数へ注目してしまう感じの音です。

一方、SACD(DSD)では。

こちらはとても柔らかい音、という印象を受けます。音の数はもちろん多いのですが、音の輪郭が優しい感じがします。高音域の伸びに耳が向きますし、シンバルなどの響きの消え際がとても心地よい印象です。

 
 

このあたりは記録方式の違いがその印象の違いをうける要因になっているようです。

DSD記録方式では、サンプリング周波数は大きいのですが(2.8MHzや5.6MHzというのもあります)量子化ビット数は1bitなのです。

どうやらLPCMの時と全く考え方の違う記録方式のようです。

LPCM方式では、上記説明の通り音域の高さ(低さ)、音の大きさ(小ささ)この2つを情報を24bitといった情報量でより細かく表現しようとしました。

一方DSD方式では、1bitつまり1か0かで表現するというのです。

またそれは音声の波を濃淡で表現するという考え方という表現もあります。

技術的なことは横におくとして、この考え方の違いが音質(音の良し悪しではなく)の違いを生むようです。

 

以上、ハイレゾについて調べてみました。

ハイレゾ音源は、繊細な高音域、ボーカルなどの中音域、ベースの低音域といった幅広い音域を記録できるようになりました。

また一聴して分かるくらい微弱音から大音響まで収録できるようになりました。

ハイレゾ音源を聴くと、まるで演奏しているひとの回りの空気(無音、響き)毎切り取ったかのような、そんな印象をうけます。

ここでふと思い出しました。そういえば・・・

 

「より原音に近い自然な音場感を再現するDSD録音に対応。臨場感や空気感までを忠実に記録するポータブル リニアPCMレコーダー」

※ソニー公式ページより引用※

 

しっかりと、ソニーさんはそうおっしゃってましたね。

これがハイレゾなんですね。